【レビュー】HG 1/144 ライジングフリーダムガンダム見参!『SEED FREEDOM』が示す自由の翼と「SEEDアクションシステム」の全貌

ガンダムSEED

今回は、2024年の映画公開とともにガンプラ界に大きな衝撃を与え、現在においても新生コズミック・イラ(C.E.)の象徴として再販ごとに高い注目を集め続けている傑作キット「HG 1/144 ライジングフリーダムガンダム」を素組み検証します。

『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』において、世界平和監視機構「コンパス」の主戦力としてキラ・ヤマトが駆った新たな自由の翼。そのスタイリッシュな機体設定のリアリズムと、劇中のダイナミックなポージングを1/144スケールで完全再現するために開発された新機軸「SEEDアクションシステム」。その「究極の密度」へ深く踏み込んでいきましょう。

パッケージ&ランナー構成(新規フォーマットの幕開け)

本キットの箱を開けた瞬間、まず目を引くのが、成形色による細かなパーツ分割と、これまでのHGシリーズの枠を超えた大ボリュームの構成です。メーカー希望小売価格2,640円(税10%込)という手に取りやすい価格帯でありながら、ランナー枚数はエフェクトパーツを含めて非常に充実しており、組み立て前から「次世代のスタンダード」としての重厚な説得力を放っています。

キット情報
価格2,640 円(税10%込)
発売日2024年01月26日 (金)

HG ライジングフリーダムガンダム パッケージ正面 ボックスアート
HG ライジングフリーダムガンダム パッケージ側面 機体解説
HG ライジングフリーダムガンダム パッケージ側面 ナンバリング
HG ライジングフリーダムガンダム 取扱説明書 表紙デザイン
塗装派モデラー向けに記載された、独自のブルーや関節グレーのカラーガイドのページ写真

ここで特筆すべきは、本キットに導入された新開発の「偏光成形」パーツと、アクション性を極限まで高めるためのパーツ構成です。ビームシールドに採用された偏光成形素材は、光源の角度によってエメラルドグリーンからパープルへと妖艶に色味が変化し、劇中におけるフォトン・シールドのエネルギーの揺らめきを定性・定量的に見事に両立させています。

ビームシールドに採用された偏光成形素材

また、HGキットの限界に挑んだ多色成形により、本体の複雑なブルーとホワイト、ダークブルーのレイヤリングが巧みに表現されています。しかし、中上級モデラーの視点からランナーを精査すると、背部ウイングのホワイトラインや、シールドの一部、レールガンの細部など、広範囲にわたる「ホイルシール」による色分け補完が確認できます。これが素組みの完成度にどう影響するのか、そして塗装派モデラーがどのようにアプローチすべきかのフックとして、まずはランナー全体の密度を視覚的に検証していきましょう。

HG ライジングフリーダムガンダム Aランナー イロプラ
HG ライジングフリーダムガンダム Bランナー
HG ライジングフリーダムガンダム Cランナー
HG ライジングフリーダムガンダム 付属ホイルシール 色分け補完用

完成レビュー:プロポーションとデザインの生む存在感

C.E.75年、度重なるブルーコスモスによる侵攻や独立運動の過激化を鎮圧すべく、プラント・オーブ・大西洋連邦の共同によって設立された世界平和監視機構「コンパス」。そのフラッグシップモビルスーツとして開発されたのが「STTS-909 ライジングフリーダムガンダム」です。従来のフリーダム、ストライクフリーダムが「圧倒的な個の火力による戦局平定」を目的としていたのに対し、本機はオーブの最新技術による「MA形態への可変機構」を組み込むことで、戦域への即応性と兵器としての運用柔軟性を極限まで高めています。

組み立てを終え、ホイルシールを貼った素組み状態で自立させた「HG ライジングフリーダムガンダム」を四方から眺めると、そのプロポーションの絶妙な落とし込みに驚かされます。

デザイン面では、大河原邦男氏による設定画のどこか親しみやすくも力強いラインをベースにしつつ、現代のガンプラらしいスタイリッシュでエッジの効いた現代的アレンジが融合。背部に巨大なウイングバインダーとバラエーナ改・高エネルギー長射程ビーム砲(アグニ砲)を背負っていながら、S字立ちが美しく決まる絶妙な重心バランスで設計されています。各部のパネルラインはあえて主張しすぎず、1/144スケールとしての密度感を損なわないレベルにコントロールされており、劇中の「コンパス」の先進的なイメージとキラが最後に到達した、もう一つの「自由の象徴」としてのストーリー性が、この洗練されたシルエットから雄弁に伝わってきます。

HG ライジングフリーダムガンダム 素組み フロントビュー 正面
HG ライジングフリーダムガンダム 素組み 斜め前アングル 右
HG ライジングフリーダムガンダム 素組み 斜め前アングル 左
HG ライジングフリーダムガンダム 素組み リアビュー 背面
HG ライジングフリーダムガンダム 素組み 真横アングル 右
HG ライジングフリーダムガンダム 素組み 真横アングル 左
HG ライジングフリーダムガンダム 胸部ダクト

可動域徹底検証

「HG ライジングフリーダムガンダム 可動 SEEDアクションシステム」の連動性を語る上で、本キットに搭載された新規内部構造は外せません。本キット最大の目玉である「SEEDアクションシステム」は、これまでのガンプラの「ただ関節が曲がる」という次元を超え、「SEEDシリーズ特有の、見得を切るような大胆なアクションポーズ」を破綻なく再現するために設計されています。

特に首関節、肩基部の引き出し機構、そして腹部の二重関節が驚異的な効果を発揮します。顎を大きく引きながら胸を張り、同時に肩を前方・上方へ大きくスイングさせることが可能。さらに、股関節には左右独立したスライド機構が搭載されており、脚部を大きく開脚した際にも美しいシルエットを維持したまま、膝を深く接地させることができます。

HG ライジングフリーダムガンダム 首の可動範囲
HG ライジングフリーダムガンダム 肩の引き出し機構 SEEDアクションシステム
HG ライジングフリーダムガンダム 肘関節の屈曲 二重関節検証
HG ライジングフリーダムガンダム 膝関節の屈曲

足裏は肉抜き穴が一切なく、精密なモールドが施されています。これらにより、背部に大重量のウイングを背負っているにもかかわらず、従来の可動範囲の限界を完全に克服。劇中でキラが見せた、空中を縦横無尽に駆け巡るしなやかかつアクロバティックなポージングの数々を完璧に実証しています。

構造的課題と対策(中上級者向け工作アドバイス)

中上級モデラーが本キットを製作する上で最も懸念するポイント、それが「HG ライジングフリーダムガンダム 塗装 塗り分け ウイング」という、HGならではの色分け限界や、可変機構に伴うパーツの自重問題、クリアランス調整といったニッチな課題です。

本キットは、組み立てるだけで設定に近い色分けが再現される非常に優秀なキットですが、最大の難所は「背部ウイングの白いライン」」です。これらは大面積のホイルシールで補う仕様になっており、素組みではシールの厚みや余白が目立ちやすく、経年変化で「端から剥がれてくる、緩い」といった課題に直面します。また、MA形態への変形時に頭部アンテナが胸部外装と擦れ合う干渉リスクも存在します。

ここでは、キットのポテンシャルを認めつつも、さらに一段上の完成度を目指すモデラー向けに、お悩み解決のリカバリー工作を提示します。

  • ウイング白ラインの塗り分け対策(マスキングと面出し): シールの使用を避け、塗装で再現する場合は、ウイングのダークブルー部分に細いマスキングテープを正確に密着させ、下地にサフェーサー(ホワイト)を吹いた上でホワイトを重ねます。ウイングのパーツ表面にはわずかなステップ(段差)があるため、塗装前に400番〜800番のヤスリで「面出し工作」を行い、エッジをシャープにしておくと、マスキングの密着度が跳ね上がり、塗料の滲みを完璧に防げます。
HG ライジングフリーダムガンダム ウイング白ライン 塗装塗り分け推奨箇所
  • アンテナのフラッグ処理と変形時の干渉対策(クリアランス調整): HG特有の安全フラッグ(アンテナ先端の肉厚部分)をニッパーとヤスリで削り落とし、シャープ化を施します。ただし、MA形態へ変形させる際、この尖らせたアンテナが胸部中央の機首パーツと非常にタイトに交差するため、擦れ(塗装剥げ)が懸念されます。あらかじめ胸部ハッチの裏側やアンテナの基部を0.1mm単位で削り、隙間を作る「クリアランス調整」をしておくと、塗装後も安心して変形ギミックを楽しめるようになります。
HG ライジングフリーダムガンダム アンテナシャープ化とクリアランス調整箇所

武装仕様の考察:兵器としての説得力とギミック

ライジングフリーダムガンダムに与えられた武装類もまた、劇中設定をリアルに再現するための緻密なパーツ分割と最新ギミックが施されており、単なる武器パーツを超えた兵器としての説得力を放ちます。

主兵装の「高エネルギービームライフル」は、ブルーのラインが別パーツで色分けされており、不使用時にはリアアーマーへマウント可能。2本の「高エネルギービームサーベル」は、設定通り腰部サイドアーマーから脱着でき、グリップ同士を連結させることでフリーダム伝統の「アンビデクストラス・ハルバード形態」を差し替えなしで再現できます。

新型のシールド(フラッシュエッジG-3 シールドブーメラン)は、単なる防御兵装ではなく、攻撃用ブーメランとしての機能を再現するため、左右のウイングが展開するギミックを内蔵。先端部にはクリアピンクのビームエフェクトを取り付けることが可能です。

HG ライジングフリーダムガンダム 付属武器
HG ライジングフリーダムガンダム ビームサーベル 連結ハルバード形態

さらに特筆すべきは、本キット最大の目玉ギミックである「MA形態への変形(モビルアーマー変形)」です。一部のパーツ(機首となるシールドのホールド用ジョイントなど)を差し替えることで、寝そべり変形でありながら、航空機としての美しい薄さとシルエットを完全再現。

HG ライジングフリーダムガンダム MA形態 変形ギミック
HG ライジングフリーダムガンダム MA形態 後方シルエット

背部のアグニ砲の展開、腰部レールガンの砲身伸長ギミックと組み合わせることで、すべての火線を前方へ集中させる「ハイマットフルバースト」の説得力を極限まで高めています。

アクションポーズ:躍動する戦場

それでは、ここまで検証してきた「SEEDアクションシステム」の恩恵と「圧倒的な可動域」をフルに活かし、新生コズミック・イラの激戦、大気圏内および宇宙空間を高速で躍動するダイナミックなアクションポーズを展開してみましょう。

本体の重量バランスが非常に優れているため、背部に巨大なウイングを背負った状態であっても、スタンドなしの陸上接地ポーズがしっかりと決まる点は驚異的の一言。最新フォーマットの恩恵により、ポージング時の躍動感がこれまでのHGシリーズとは一線を画しています(※空中でのダイナミックなポージングやフルバースト状態のディスプレイには、別売りのアクションベース7等の使用を推奨します)。

HG ライジングフリーダムガンダム MA形態 空間巡航アクション
HG ライジングフリーダムガンダム ビームライフル 射撃ポーズ
HG ライジングフリーダムガンダム ビームサーベル 二刀流アクション
HG ライジングフリーダムガンダム ハイマットフルバースト 一斉射撃 正面

総評:「大人のホビー」として提示する新たな地平

「HG 1/144 ライジングフリーダムガンダム」を素組みで徹底検証して見えてきたのは、BANDAI SPIRITSがこれまでに培ってきた技術の集大成であり、これからのHGシリーズの未来を示す新たなるマスターピースであるという揺るぎない事実です。

HG ライジングフリーダムガンダム 素組み完成品 至高のマスターピースカット

単に「組み立てやすい」だけで終わるではなく、本キットは『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』の世界観に根ざしたスタイリッシュなリアリズムの落とし込み、そして「SEEDアクションシステム」の導入によるポージング自由度の最適化など、可動設計の劇的な転換期を示してくれました。

ウイングのシール色分けや可変時のクリアランス調整といったニッチな課題も、中上級モデラーにとっては工作意欲を刺激する絶妙なスパイスにすぎません。無塗装の素組み状態であっても、最新フォーマットがもたらす異次元の可動と偏光成形パーツの美しさによって、大人のホビーとしての圧倒的な所有欲を満たしてくれることは間違いありません。「1/144スケールにおける究極のアクションと設定考察の楽しさ」を、ぜひあなたの手で体験してください。

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